快適な在宅
政府を支持する学者やエコノミストたちもそれを疑おうとはしない。
一番といとを主張する。
「実質GDPが伸びていても、不良債権処理がまだ終わっていなく株価に不安定要因がある」とか、「実質GDPが伸びていても、不良債権処理がまだ終わっていないから、金融不安が払拭し切れていない」というように、さまざまな反論をする。
要するに、経済を判断する指標が人によって異なりすぎているところに、結果を判断できなくさせる最大の問題があると思う。
「心理学を使うと人の心がわかる」と思っている人がいるが、心理学を過信するのは禁物だ。
心理学こそ、最も疑ってみなければならない学問の一つだ。
極端な言い方かもしれないが、私は、少なくとも日本で現在通用している心理学はほとんどあてにならないとさえ思っている。
前でも述べたように、消費不況時代には、生産活動に従事する人よりも、消費に貢献してくれる人のほうが重要だ。
高齢者はお荷物のように言われているが、高齢者こそ消費を支える重要な存在と言える。
生産をしないで消費をしてくれる人たちこそが最も需給ギャップを埋めてくれるのだ。
そもそも現代の高齢者はみな若々しい。
ある程度のお金を持っているから、海外旅行にも行くし、高級車も買ってくれる。
そういう高齢者マーケットを充実させていけば、消費不況時代をなんとか乗り越えることは可能だと思う。
高齢者が社会にとって金食い虫のように言われる原因の一つには、医療費問題がある。
しかし、高齢者の場合には、これらの値が正常値よりも多少高めの範囲であれば、生存率は血糖値、コレステロールを下げすぎたりすることのほうがむしろ弊害が大きい。
薬による効果よりも、副作用のほうが大きいくらいなのだ。
ついでに言うと「下げすぎ」以外にも胃腸や肝臓に副作用を及ぼす確率が上がるし、薬剤性のうつ状態も軽視できない。
もっと研究が進めば、薬を使って、数値を無理に正常範囲内まで下げる必要はないという結論が出る可能性も高い。
これまでの血圧、血糖値、コレステロールに関する医学常識を疑っていけば、高齢者の薬を減らすことが可能になる。
薬を減らすことができれば、高齢者医療費も大幅に削減できるだろう。
つまり、医学常識を少し疑ってみるだけで、高齢者医療費の問題はかなり解決できる部分があるということである。
高齢者は決して社会の金食い虫ではない。
みんなが金食い虫だと思いこんでいるだけだ。
その部分を疑ってみたほうがいい。
アメリカがイラクを攻撃したとき、「アメリカは、実はイラクの石油利権を狙っている」というようなことがよく言われた。
それは事実なのかもしれないが、果たして石油利権を狙うことが本当にメリットの大きなことなのか、多大なコストのかかる戦争をしてまで石油を奪うことにメリットがあるのか、疑ってみる必要があると思う。
「石油を持っている国は豊かだ」という考え方もおそらくスキーマの一つだろう。
しかも、とても疑わしいスキーマだ。
Pがしきりに主張していることだが、昔は資源を持っている国が豊かだったが、今はそうでもなくなっている。
昔は、たとえば一0から生産できる物がせいぜい三00ドル程度だった。
加工した国には差額の二00ドルが入るが、資源がとれた国にも一00ドルが入る。
ほとんど何もしなくても資源国には一00ドルが入ってくるため、資源を持っていることは相対的にメリットが大きかった。
だから、帝国主義時代には、列強諸国が競って資源のある国を植民地にし、現地の人間を働かせて、搾取を行っていたわけだ。
ところが、今は一万円の鉄鉱石を加工して、最終的に万円の自動車を作るというような時代だ。
それどころか、原価が数十円を何十万円で売ることさえあり得る。
資源そのものよりも、それを加工した付加価値のほうが圧倒的に高くなっている。
昔と比べると、相対的に、資源の価値が落ちているのだ。
付加価値が大きい時代になればなるほど、資源を持っていることの価値があまりなくなってくる。
発電というコストが安いシステムもできている。
石油からできる付加価値の高い製品も増えている。
したがって、石油そのものを手に入れることは、昔ほどメリットはなくなっていると考えられる。
実際、産油国が大きな人口を抱えるのが難しくなっている。
もちろん、「アメリカがイラクの石油を狙って戦争を始めた」という説も本当かどうかはわからない。
それ自体疑ってみる必要があろう。
イラク戦争の目的は、初めは、イラクの大量破壊兵器を廃棄させることにあり、それが徐々に、イラク国民をF独裁政権から解放するという目的に変わっていった。
これらの大義名分も、もちろん疑ってみる必要があると思う。
しかし、先に述べたように、生産性が高まりすぎた結果、今後は生産が消費を上回るような時代が来る可能性が高い。
そういう生産過剰の時代には、生産性を落とすような共産主義のほうが、むしろうまくいく可能性もあるのではないかとさえ思う。
「需給ギャップが大きくなりすぎた時代には、差をつけないで、みんなで富を分け合って、共産主義でぼちぼちやろうよ」という考え方が主流になってきても不思議ではない。
何十年か先にはそうならないとも限らない。
確かに、一九九○年代にかけて共産主義は破れたが、それは一回負けただけであっては、永遠の勝ち負けが決まるわけではないのだ。
勝敗が決まったときに、それがずっと続く勝敗なのか、一時的な勝敗なのかを疑ってみることも必要ではないだろうか。
しかし、それは一時的な敗北であって、将来復活しないとも限らない。
かつては日本型企業経営が勝利し、米国がそれをまねるようなところがあり、その後は、米国型企業経営を日本がまねるようになったが、どちらがよいのかはまだ決着はついていない。
というよりも、時代に応じて勝敗というのは変わってくるものだから、「勝負がついた」と思いこまずに、今のシステムを常に疑ってみることが必要だろう。
北朝鮮問題のシミュレーション北朝鮮に対する日本の基本政策は「対話と圧力」とされている。
論されるときには、「対話と圧力」ではなく、「対話か圧力か」になっていることが多いと思う。
しかし、「対話と圧力」というのは、本来は、白と黒を織り交ぜて、グレーの戦略で行きましょう、という意味だ。
ところが、現実には、「経済援助をしなければ投致被害者は帰ってこない」とか、「経済制裁で圧力をかけるべきだ」というように、白か黒かで議論されていることが多い。
いつまでたっても議論がかみ合うわけがない。
「対話と圧力」の割合を、「二対181」これでは、一時的な敗北であって、将来復活しないとも限らない。
かつては日本型企業経営が勝利し、米国がそれをまねるようなところがあり、その後は、米国型企業経営を日本がまねるようになったが、どちらがよいのかはまだ決着はついていない。
というよりも、時代に応じて勝敗というのは変わってくるものだから、「勝負がついた」と思いこまずに、今のシステムを常に疑ってみることが必要だろう。
北朝鮮を取り巻く各国の状況がずっと今と同じということはあり得ないわけだから、アメリカの政権が変わった場合、韓国の政権が変わった場合、中国の政権が変わった場合など、さまざまスを疑ってみる必要がある。
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